デザインって本当に難しいですよね。正解はありませんから非常に悩まされますよね。では初心者とプロフェッショナルの違いって何なのでしょうか。どうしたらプロフェッショナルになれるんでしょうね。
結論を言うと考え方の違い
アマチュアとプロフェッショナルの違いは何でしょうか。もちろんセンスや経験なども大事ですが、再現性のないことを話しても意味がないですし、他にあると思っています。
それは、プロフェッショナリズム、プロ意識です。あなたが今プロフェッショナルであるかは関係ありません。
どんな場合においても、一挙手一投足、プロフェッショナルであればこの時どう対応するか?と考えるのです。
- プロフェッショナルであればどんな発言・質問をするか?
- どう仕事を進めたらお互いに気持ちが良いか?
- どんな情報設計にするか?
- どんなあしらいにするか?
好きなデザイナーがいればその人を思い浮かべても良いでしょう。そのデザイナーが同じ立場にいたらこんな提案をするか?など。
特になければAppleなど有名企業を思い浮かべても良いでしょう。Appleのインハウスデザイナーとしてこれを上長に提案できるほど細部まで詰められているか?など。
ヒアリングの精度
デザイナーの仕事はただ作るだけではありません。相手が欲しがっているものを作ります。相手が欲しがっているものが明確であれば良いですが、時に相手もわかっていない場合も多くあります。
自動車の大量生産を可能にし、貴族のものでなく大衆でも手に入る形にし、産業構造に革命を起こしたヘンリー・フォードが残したといわれる有名な格言に「もし顧客に、彼らの望むものを聞いていたら、彼らは『もっと速い馬が欲しい』と答えていただろう。」という言葉があります。
相手が言っていることを鵜呑みにして、それを作るだけでは2流ということです。それだけでもすごいことですけどね。
会話の中で相手が本当に求めているものの本質を探ると、打ち手イメージが変わることもざらにあります。
最重要な軸は「課題」です。相手がどんなことに課題を感じているのかを深ぼってみましょう。精度高く適切な課題設定ができれば課題の半分は解決しているという名言もあります。改めて課題は何なのか、を会話してみましょう。
コンセプトの詰め
これはヒアリングの精度が物を言いますが、ヒアリングの内容を踏まえ、どの方向に進めば良いのかを考え、明示しておきます。
大海原で船に乗っているとしましょう。あなたが羅針盤となるのです。羅針盤が正常に動作しないと同じところをぐるぐる回ったり、全然違う目的地についてしまったりしてしまいますよね。人はより正確な羅針盤を欲しがりますよね。案件を最短距離で進められる人が良いのです。
次のようなステートメントを明文化しておくと良いでしょう。
〜〜という課題に対し、〜〜や〜〜が〜〜できるような、〜〜を制作する。
パターン出しの方向性と量
適切な課題設定がされていれば、もうプロフェッショナルであろうがやることは同じです。ひたすらにパターンを考え、良さそうなパターンからさらにパターンを出す、これを繰り返します。
プロになるほどパターン出しの方向性の出し方が上手いので、量が必要なくなります。この辺りの勘所がわかってくるようになるまでは、量でカバーしましょう。
ひたすら考えて、1日寝かしてから改めて見るとまた見え方が変わることがあります。
また、最初に思いつく案は誰でも思いつく案なので、一度案が出切ってからが勝負です。
未来をイメージさせられるか
何かを制作し、提案するフェーズとなったら重要なのは、制作物をいかに良く魅せるかです。そのデザインが採用となった場合にどんな世界になっているかを魅せられるか、これで制作物の良さが幾分変わってきます。
・サイトやアプリなどであったら、実機でみた場合のプロトタイプを作る
・ロゴであればロゴが使われたポスターやSNSのアカウントを運用した場合のイメージなども添える
・パッケージや名刺であれば、実際に印刷し、手に取ってもらう。お菓子のパッケージであれば実際に棚にしまってみてどう見えるかの写真を添えるなど。
私がロゴを作る際は、必ずモックアップを添付します。
制作物への責任と強さ
強さと言っているのは、「このデザインで行けば、問題ありません。」と言い切れることです。作ったモノへの責任は作った人が持つ、というと少しおおげさですが、考え方は参考にすると良いです。
相手も不安なわけです。デザインに100%を保証する「正解」はありませんから、論理と熱意を以て納得していただくしかありません。
もちろん、このデザインで行けば問題ありません。と言えるものを作ることが前提です。そのために、なぜ問題ないかについて考えを張り巡らします。
- このデザインで行った場合に考えうる懸念点はなにか?
- 起こりうるリスクは何か?
- そのリスクは許容可能なものなのか?など