デザイナーと言ってもファッションから家具、空間、車やCGまでたくさんの種類があります。今後の時代でますます需要を増していく、私の守備範囲であるデザインについて、現役デザイナーである私の立場からどんな仕事なのかについて書きたいと思います!
こんな方へ
- デザインに興味がある
- Webデザインってなに?
- デザインという言葉に何か惹かれる
- どんな人がなれるの?
話す種類
- グラフィックデザイナー
- DTPデザイナー
- Webデザイナー
- UIUXデザイナー
- プロダクトデザイナー
話さない種類
- インダストリアルデザイナー
- CGデザイナー
- ゲームデザイナー
- インテリアデザイナー
- 家具デザイナー
- 空間デザイナー
- 照明デザイナー
- 建築デザイナー
- フラワーデザイナー
- カーデザイナー
- ジュエリーデザイナー
- 雑貨デザイナー
- エディトリアルデザイナー
実際のところ、業界全体での統一された形式は厳密にはありません。企業や人によって呼び方が変わるので人と話すときなどは相手がどう定義しているかを察しつつ話すことなどがあります。業界の人、業界の周りの人がどう言っているか、など業界にいる立場からそれぞれの特徴について書きたいと思います。
グラフィックデザイナー
グラフィックデザイナーですが、いきなり範疇が広いです。意味を調べると文字や線がきの絵などによる印刷美術。とある通り、よりグラフィカルでアートにも近いものをこう呼んでいる傾向があります。また、よくWebと比較して印刷物について言われることが多い印象があります。ただグラフィックというだけありその範疇は限られておらず、ロゴデザインなんかもある種グラフィックと捉えています。
作るもの
- ポスター・印刷物広告
- チラシやフライヤー
- カタログ
- ロゴ
近年、デジタル化が進み印刷系のデザイナーが多くデジタル領域におけるデザイナーに転身している方を多くみました。30代のデザイナーだと本当に多い印象です。
WebデザインではHTMLで組めるデザインにする必要があり、ある程度定石のパターンやレイアウトは決まっているのに対し、グラフィックデザインは非常に自由度が高い分表現力が求められます。
グラフィックデザインではやはり見た目的な美しさや伝えたいポイントをいかに伝えるかなどよく考えられていることから、グラフィックができる方はWebのデザインも結構強いです。
DTPデザイナー
DTPデザイナーは、Desk Top Publishingの略で、コンピューター上で入力・編集・印刷まで行う、つまりデザインから印刷用の入稿データの制作までを行います。
グラフィックデザイナーと非常に似ていますね。グラフィックよりも、より業務的な印象です。アーティスティックなポスターを創る、というよりはビジネス用の名刺を理路整然とした印象できれいに作るといったニュアンスな感じがします。しかし、グラフィックデザイナーと大差はないと思います。
Webデザイナー
Webデザイナーは、まさに今見ているようなWebサイトをデザインする人です。近年ではデザインだけでなくコーディングを求められることも多く、スキルセットとしてWebデザインとコーディングはセットとして考えられています。
しかし、Webサイトといっても種類はたくさんあります。
- ブランドサイト・・・ブランドを押し出すため結構グラフィカルに魅せる
- 採用サイト・・・こちらも結構グラフィカルなデザインが多いです
- コーポレートサイト・・・突飛なことはせずきっちりしたデザイン
- ECサイト・・・ログインや決済機能などがありシステマチック
- メディア・・・このサイトのような機能としてはブログみたいなものを主軸にしたサイトでデザインする要素は他と比べると少ない
サイトはいまや企業にとってなくてはならないもの。何よりもまずサイトがあることが信用になるため需要は絶えないですね。
ただ、制作コストや参入コストが低いので供給する側も個人・法人非常に多いです。
UIUXデザイナー
UIUXデザイナーはここ数年の間に出現しました。制作物の代表的な例がスマートフォンやタブレットで使うアプリのデザインです。このデザイナーが何をする人なのかを説明するために、まずUIUXを分解し、UIについてとUXについて見ていきます。
UI (User Interface)とはInterface(=接点)なので、ユーザーとアプリとの接点、つまりアプリの画面のデザインととらえて問題ありません。対してUX (User Experience)はユーザー体験のことを指します。平たく言うとアプリを使ったことでユーザーにもたらされる体験を良くするための設計です。これは、アプリを使って「ストレスなく料理を注文できた」や「動画を見て楽しかった」など感情なども含みます。UXデザインに関しては、こちらのサイトが参考になります。
この職種が生まれた背景にはスマートフォンの普及があります。これまで、Webデザインといえばパソコンの前に座って、万全の状態のユーザーが使い易ければよかったものが、スマートフォンというデバイスで持ち歩くこととなり、利用状況の幅が一気に広がったのです。
電車の移動中に使いやすいものは何か?家のソファーでくつろいでる時に使いやすいものは何か?旅行中に使いやすいものは何か?などあらゆるシーンがあり、あらゆるシーンそれぞれで使いやすさの定義が変わるのです。
単に見た目を良くするのではなく、利用状況や利用文脈を踏まえ、より立体的にデザインする必要があります。
時にプロダクトデザイナーとも呼ばれます。プロダクトとは製品の意ですからアプリやWebサービスなども含まれておかしくありません。詳しくは後述します。
プロダクトデザイナー
こちらは人や業界により二通りあります。
1点目は、実際に手に取れるモノの形状などをデザインするデザイナーです。インダストリアルデザイナーのような呼ばれ方もします。
2点目は、UIUXデザイナーの同意のアプリやWebサービスをデザインするデザイナーです。ここでニュアンスとしては、単なる画面のデザイン(UI)だけでなくビジネス観点や体験価値(UX)も含め製品全体を設計するデザイナーがプロダクトデザイナーと呼ばれるイメージです。
アプリやWebサービスといったソフトウェアの需要は時代とともに増すばかりなので、必然的にデザイナーの需要も増していきます。
また、情報をどのように見せたらよりわかりやすいのかなどを検討する情報設計などはより上流工程で求められる能力でもあるので、企業内などでデザイナーの存在価値は非常に高いものとなっています。
どんな人がなれるの?
今回取り上げた下記のデザイナーに関しては、正直のところ誰でもなれます。頑張れば。
- グラフィックデザイナー
- DTPデザイナー
- Webデザイナー
- UIUXデザイナー
Q. センスいらないの?
A. 要りません。センスは知識から身につきます。お洒落なものをお洒落と判断できる程度の審美眼があれば十分だと思います。
Q. 美術系の大学出てないけどなれるの?
A. なれます。最近では美大を出ているデザイナーの方が少数派の職場も多いと思います。よりグラフィカルなものをデザインしたければ行くに越したことはありません。しかし、使いやすさなども考え”設計”をしたいと思っている場合、必要ありません。そしてその方がお金になりやすいです。
Q. 向いている人の性格や素質は?
飽き性でも問題ありません。とにかく絵を描くであったり写真を撮るでも良いです。何かを作る、制作活動がとにかく好きな人。時間を忘れて没頭してしまったことが1度でもある人は今すぐデザイナーを目指しましょう。
あと大事なのは、こだわりがありすぎない人。デザインはアート(自己表現)とは違いあくまで事業課題を解決する手段なので、自分が作りたいものを作るのではなく課題を解決するために必要なものを作ります。
長時間をかけて磨き込んだデザインもビジネス観点で切り捨てられることも多々ありますが、そこを割り切れることが大事です。
Q. 何をどう頑張ればいいの?
A. とにかく手を動かしてください。最初は良いデザインをひたすら模写するでも良いです。デザインの100本ノックをするでも良いです(毎日お題が届くUIデザイナーの登竜門 Daily UI はおすすめです)。こんな案件が来たとして、、、と仮想の案件に対して提案して見ても良いです。ひたすらアウトプットしてください。
すぐに職や案件に辿り着けるコツを簡単に述べておくと、「こんな課題に対して」「こう考えられるので」「こんなものを作りました」と説明することをイメージしながらデザインしてみてください。この「よく考えられているか」も非常に大事になってきます。
ひたすら手を動かして、見た目的に良いものを作れるようになったら、次のフェーズは頭を使い課題の解決も踏まえ制作をすることなので、いきなりどちらも学べそうであれば「ひたすら考え抜き、ひたすら手を動かす」を頑張ってみてください。