自分にはデザインは向いていないのでは、、と悩むのはデザインをしていると誰しもが経験するのではないでしょうか。悩めるというのはきちんとデザインをしている証だと思います。趣味程度にやっている人は悩みませんからね。これまで長年デザイナーをしてきた私としては、「自分には向いていないかも、、」と思える人ほどデザイナーに向いていると思っています。
こんなことでお悩みでしょうか。
- 全然良いデザインが作れない
- 先方や上長に見せてもダメ出しばっか
- 自分にはセンスがないのでは
- 素質がないのでは
- 美大を出ていないので自信がない
悩める人は俯瞰できる。デザインに必要な俯瞰力
まず、言いたいことはデザインするにあたって自分に自信を持ちすぎることは禁物なのです。デザインとはあくまで課題解決の手段であり、自分が作るものではなく相手(クライアントや自社)が欲しいものを作らなければいけません。なので自分のデザイン力やセンスを信じ切っている人は要望に答えられなかったり、今後成長したりしづらいです。
その点、全然良いデザインが作れない、と考えられているだけ「なぜ良いデザインが作れないか?」「そもそも今回のケースにおける良いデザインとは?」と考える余地ができます。
こうしたことを考えられるデザイナーが良いデザイナーなのです。悩んでしまう人は良く考える人だと思います。そこに少し論理性を足してみてください。
デザインをしていてつくづく感じるのが俯瞰力です。いかに一歩引いて自分の作ったものを客観的に見れるかが非常に大切になってきます。良いデザインが作れない場合の多くはこの俯瞰ができてないことに起因していると考えられます。
なので、「良いデザインが作れない」のではなく、「客観的に見て、考え、良いか悪いか判断できていない」のです。一度、制作力と俯瞰力を切り分けて考えてみてください。自分が普段デザインを見せている相手だったら自分のデザインをどうレビューするか、を一度提出する前に立ち止まって考えてみてください。
デザイン=正解がない問題に答えを見出す
先ほどデザインは相手が求めているものを作る行為だと述べました。これはそもそも難しい行為なのです。難しいことに挑んでいる、難しいことをやってあげているんだ、くらいの気の持ちようでいましょう。まさに正解がない問題に答えを見出すようなもので、正解はありませんし誰も答えを持っていない中で、最もらしい答えを見出さなければいけないのです。
数学の問題で「 1 + A × あ ÷ い =」こんな問題が出てきたらどうでしょうか。こんなイメージなのです。様々な制約があり要求があり、各所からの合意を得ながら一本の筋道を作る。針の穴に糸を通すような作業です。
要するに誰がやっても難しいのです。あなたが向いていないからできないのではありません。もちろん熟達度合いによって早い遅いはあるかと思いますが、それは場数の問題であり向き不向きには直結しません。毎日、何百回も素振りしてフォームの練習していたら本番で一本くらいはヒット打てそうな気がしますよね。
そんな感覚で業務外で練習ができるのであれば、できることからで結構なのでしてみてください。毎日1作品作る必要はなくて、自分が良いと思う参考となるデザインを1日一個見つけてコレクションしていくなどでも良いと思います。
まずは10回バットを振ったら1回はあたることを目指してみてください。それができれば10パターンデザイン作ればあたりますから。
センスよりも思考量。そして作業量
よくデザインにセンスは必要か、みたいな話があると思いますがもちろんあるに越したことはありませんが、そこまで必要ないと考えてます。今回も要素分解して考えてみましょう。センスとはなんなのでしょうか。
仮に「かっこいいスタイリッシュなデザインをつくれる」としましょうか。では「かっこいいスタイリッシュなデザイン」ってなんなのでしょうか。まず基本としてデザインの4原則(近接・対比・反復・整列)を守りつつ、トレンドを抑えている、などでしょうか。では今の時代のトレンドってなんなのでしょうか。という具合に思考を巡らせます。
今自分がおかれている状況に応じて、徹底的に考え抜いてください。
- 今求められていることは何か?
- その中で最も大事だと考えられることは何か?
- デザインのプロフェッショナルであればどう対応するか?どんな質まで磨くか?
よく考えたらあとは手を動かすだけです。ひたすらパターンを出します。デザインのプロフェッショナルでも結局やっていることは同じですからね。デザインは総当たりです。考えられる全てのパターンを出して最適解を見つけます。
デザインが向いてない人なんていない
向き不向きについて深刻に考える必要はないと思っています。大事なのは知識と経験であり、場数で培われていくので今すぐにどうこうといった話ではないと思います。
デザインのしすぎで疲れているのではないでしょうか。
毎日毎日制作をしていると制作意欲は気づかぬうちに落ち、パフォーマンスも落ちていくと思います。仕事とは全く関係のないものを作ったりデザインソフトを全く触らない日を作ったりするなどして息抜きをしてみてください。
気ままに制作意欲が沸くのを待ちましょう。
さいごに
いきなり良いものを作れる人はいません。どんなにすごい人でも最初はアマチュアで、鍛え抜いたすえにデザイナーとして活躍されています。そして誰しもが必ず現場で学んでいます。そんなボロボロになりながら学ぶのも良いですが、現場は時にカオスで理不尽かもしれません。たまには休憩もしながら自分のペースでがんばってみませんか。
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